本紙 縦 94.0p 横 141.3p

池大雅(いけのたいが)筆 「比叡山真景図」

 江戸時代中期に京で活躍した文人画家・池大雅の壮年期にあたる1762年制作とわかる「比叡山真景図」は、大雅作品の基準作となるばかりか、親友とともに登山した記録と記憶をとどめるという文人画における「真景図」の特質を兼ね備えている。
 また、画中に大雅自身の手で中国北宋初期の画家・李営丘(李成)の筆法に倣うとあることから、江戸期における中国北宋山水画の受容形態においても貴重な史料である。
 現状画面に雨水による汚れやシミ、折れ皺が多数あり、出来る限り除去した上で旧裏打ち紙を打ち替える。
修復は、今年度より2カ年の計画で行なう。

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