像高 121.0 p

毘沙門天立像

 八瀬文化財保存会が管理する毘沙門天立像は、平安時代後期の穏やかな作風と、鎌倉時代の写実的な動きのある作風をあわせもつ、鎌倉初期の作品で、この転換期の過渡的な作風を典型的に示す作例として貴重である。                                         本像は比叡山西麓の京都市左京区八瀬の念仏堂に安置されていた諸尊の一つで、信長による比叡山の焼き討ち、又は山内の抗争から避難、持ち出されたもので、元々は八瀬と地理的に近い比叡山西塔の系統に属する仏像であったと思われる。                            現状、表面の剥落が美観を損ねているほか、各部材の矧目がゆるみ、左手首先も脱落している。修復は、3ヵ年の計画で平成16年度から実施中で、本年度で完了する。

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