像高  41.5p

釈迦如来坐像

 本国寺本堂に安置される一尊四士像の中尊。四士像は近世以降の造立とみられるが、釈迦如来坐像は薄い衣の質感を示す写実的な衣文表現からも、制作時期は鎌倉時代に遡ると考えられる。
 本像は、史料によれば、寺の所在する下山郷の地頭左衛門四郎光長が永仁年中(1293〜99)に造立したという仏像に当たる可能性が高く、日蓮宗関係造像の基準的作例として注目される。
 現状、面部の金泥の一部が浮き、各所に剥落が見られ、裙裾部の矧ぎ目に沿って亀裂が生じ、両手首から先が本体から分離して安定しないなど、著しく像容を損ねている。修復は、極力現状を保つことを基本に、後補の両手指先の形状修正、表面彩色が失われ見苦しい部分への補彩等を行う。
 

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