本紙  縦 77 p 横 41p

大威徳明王像

 日光山内瀧尾権現伝存の画で、突進する水牛の背に左三足で立つ六面六臂六足の大威徳明王像である。今にも矢を放とうと構える腕や蹴りあげる右三足、翻る着衣など躍動的な表現と、左右に描かれる八体の童子形鬼神など本図の特徴的な図様は類例をみない。
 鎌倉後期から南北朝にかけての作と思われ、日光山に於いて最も古い仏画の一つと位置づけられる。 料絹に多く見られる亀裂や欠失の進行が懸念されるため、裏打・補絹を新たに仕直し太巻芯に巻くことによって、更なる剥落や折れなどの損傷を防ぎ、保存を図る。

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