像高 149 p   

千手観音立像

 奈良時代の創建と伝わる古刹那古寺の本尊である千手観音像 は、一木造、顔は三角形の鼻と切りつけただけの長い眉と目で、土着のエネルギーを感じさせる地方色豊かな作例の立像である。
奈良時代の行基作と伝えられているが、平安時代後期の制作と考えられる。
 厨子内に大切に保存されてきたが、頭部から胸部中央あたりまでが当初部分と思われ、それ以外は、各時代の修理が加えられていて、当初とは作風が異なってしまっている。
 経年による朽損、後世の修理箇所に施された補彩の変色、脇手の脱落・割損、持物の欠失等傷みがひどく、早期の適確な修復が望まれていた。

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