口像 像高 104.8p   

二天立像(開口像・閉口像)

 塩野薬師堂の本尊である如来形坐像(11世紀制作)の脇侍にあたる本二天立像は、作風から平安時代後期、12世紀の制作と想定される。閉口像の腹部の帯喰部分には、ユーモラスな頭部に両手・両足を表現した意匠が施される。
 これは、舞楽面のうち陵王の頭部にのせられる龍の意匠にも共通するところがあり、平安時代末期以降の天部形像に散見される龍の帯喰意匠の早い事例と見られる。二像は構造の上で若干の相違があるが、表現の各部は両像共通したもので、一具性は疑いない。昨年度より、矧目のゆるみの補正や厚く施された後補の彩色の除去等の修復を行っており、本年度で完了する。

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