本紙 縦 96.6p 横 39.4 p

熊野垂迹曼荼羅図

 平安時代初めに慈覚大師円仁が開き、のち親鸞聖人が再興したと伝わる錦織寺の所蔵する熊野垂迹曼荼羅図は、14世紀には下らないと見られる鎌倉時代の作で、熊野十二所権現ほかの諸尊を、男神・女神・僧形・童子の垂迹神で表した代表的作例の一つである。同様の図様で描かれた静嘉堂文庫美術館本(重要文化財)、和歌山県立博物館本とともに、わが国に現存する数少ない中世における熊野垂迹曼荼羅図の一品として貴重な遺品である。                                                                              全体に強い横折れが目立ち、折れや擦れにより彩色が剥落しているので、早急に修復事業を行う必要がある。

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