本紙 縦 200 p 横 190p

紙本著色 仏涅槃図(ぶつねはんず)

 平安時代後期の創建と伝わる古刹楽音寺の所蔵する仏涅槃図は、軸木の墨書から、至徳4年(1387)に絵師月山が、元来墨絵の下絵であったようなものに修理を加えて、彩色を施したものであることがわかる。また裏側には、天文2年(1533)と元禄13年(1700)に修復が行われた旨の記録がある。
 62〜64枚の紙を9段に貼り継いで描かれているが、紙本の涅槃図は珍しく、また絵師の名前の判明している点も貴重である。
 現状、経年劣化により本紙に大小多数の折れが生じており、特に料紙の継ぎ部分に破れや欠失が、また絵具層の剥落・欠失が多数確認される。

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