像高 54.5 p

宝冠阿弥陀如来坐像

  かつて安楽寿院に隣接して存在した国分寺に伝来したと伝わる本像は、如来の姿をあらわすものの、頭部に円筒形の宝冠を載せた、いわゆる宝冠阿弥陀の著名な一例である。
 定印を結んだ手も含めて檜の一材から丸彫りし、内刳りを施さない、古式の一木造の本格的な仏像で、豊かな肉取り、量感のある表現、安定感のある体型など、前代の影響をとどめた平安中期の作と推定される。虫蝕による朽損が各所に見られ、漆箔の浮き上がりが目立っているので、尊容を害している個所を補修する。

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