着丈 156.5p 裄 58.5p

「紅縮緬地(べにちりめんじ)熨斗文(のしもん)友禅染振袖(ゆうぜんぞめふりそで)」一領

 江戸時代の友禅染を代表する一領。左肩で束 ねられた色とりどりの熨斗が振袖いちめんにひるがえる華やかな意匠で、熨斗鮑の一条一条を金糸の刺繍で縁取りして、そのなかに松竹梅、鳳凰、鶴などさまざまな吉祥文様を配している。
 文様は友禅染を主体に、刺繍や摺箔など多彩な技法が見られる。
 現状は、欠損部分があり、生地全体が弱っているうえに、裏地のない仮仕立となっている。
 修復は2カ年の予定で、昨年度は以前に施された仮修理箇所を取り除き、脆弱化が進む黒地の部分を和紙で裏打ちするとともに、欠損部分を違和感のない裂で補った。本年度は、全体に補強裂を当てる作業と、浮いている金糸刺繍を駒留する作業を引き続き行い、振り袖に仕立て上げて修復は完了する。

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