本紙 縦 126.0p 横 67.0p

絹本著色 軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)(金剛童子)

 日光山内瀧尾権現伝存の像で、憤怒の形相で片足を蹴り上げ水中より涌出する姿が強弱ある筆致で躍動的に表されている。鎌倉時代後期の作と考えられ、日光山に現存する仏画では最古の作と位置づけられる。
 像様からは金剛童子と考えられるが、江戸期の修理銘に「軍荼利明王」とあり、日光山では「軍荼利」として伝来している。同じく鎌倉後期の作と考えられる日光山伝来の仏画に智證大師請来様の不動尊像があり、この図と本来一具のものと思われる。
 やや粗めの絵絹は横折れが強く、欠失、摩損、亀裂が顕著で、絵具の剥落止めを施し損傷箇所の補修をして保存を図る。

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