本紙 縦 27.9cm 横 279.0cm 

岡西惟中(おかにしいちゅう)自筆「勢陽巡覧」 (せようじゅんらん

 本作品は、西鶴と並ぶ宗因門の双璧だった岡西惟中(1639〜1711)の晩年の紀行文である。惟中は、鳥取に生まれ、若くして俳諧をたしなみ、連歌・和歌・書・漢詩や古典文学の注釈など文学全般にわたって学んだ。宗因の弟子となり、大坂に定住して活躍し、談林随一の論客といわれたが、遺された資料は少ない。
 本作品は、制作当時(1707年)の惟中の動静を知る上で、また若い頃に青蓮院流の書を習った惟中の書跡資料として、更には元禄期の大坂文化を知る資料としても、貴重である。
 本紙全体に虫害による傷みが激しく、早急な修理が望まれていた。

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