高野長英 自筆「処方箋」(本紙 縦 15.3cm  横 58.0cm)

高野長英関係資料

 高野長英(1804〜1850)は仙台藩伊達一門留守氏の家臣の三男として現在の岩手県水沢市に誕生、17歳の時、江戸に出て蘭学、医学を学び、さらに文政8年(1825)長崎に移りシーボルトのもとで勉学した後、江戸で医業と研究、翻訳に従事した。迫り来る西洋諸国への危機意識から渡辺華山等とともに外国事情を論じたが幕政批判を理由に捕らえられ(蛮社の獄)、脱獄逃亡の未、隠れ家を襲われ自ら47歳の生涯を閉じた。
 高野長英の人生と業績を語る資料は明治時代を中心に表装されたもので、紙折れ、虫食いや欠損、糊離れなど顕著になり、重要な資料の修復を平成14年から開始している。最終年度の今年度は、長英の自筆オランダ語写本「蘭文兵書」や自筆「処方箋」、郷里の養父に宛てた長崎遊学延長を願う書状等8点を修復する。

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