(本紙 縦 93.2cm  横 37.7cm)

絹本著色釈迦三尊像

 岐阜県飛騨市神岡の常蓮寺の釈迦三尊像は、室町時代の制作と考えられており、県内では最古のものである。中尊の釈迦如来が大きく、下部向かって右の普賢菩薩・左の文殊菩薩とも小さく描かれているが、各尊の相好は円満で、全体に麗美で優雅な截金(きりかね)、繧繝(うんげん)彩色(さいしき)文様(もんよう)、暈(ぼかし)染(ぞめ)染色(せんしょく)による伝統的描法が用いられた優作である。
 常蓮寺は、元は天台宗に属しており、鎌倉時代に浄土真宗の寺院となったと伝えられるが、本像の由来は不明である。
 かつて掛け放しにしていた為、傷みが激しく、本紙の横折れ、亀裂、絵具の剥落、欠損が随所に見られる。また江戸時代の補修加筆がある。
 修復は2カ年の計画で行われる。

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