第12面 (縦197.0p 横66.8p)

板絵著色聖徳太子絵伝

 本板絵は、元和9年(1623)徳川秀忠の寄進によって再建された聖霊院絵堂の壁画で、狩野派の代表的画人狩野山楽が制作している。その絵堂も享和元年(1801)に再度火災に遭うが、一部は危うく焼失の難を逃れ、比較的保存のよい6面と損傷甚だしい11面が、戦後重要文化財に指定された。
 板面に麻布を貼り付けて黒漆を塗り、白土の下地上に彩色が施されている。山楽の得意とする漢画技法に加え、やまと絵の技法も駆使されており、山楽としては珍しい、また渾身の大作として貴重な遺品。
 顔料が各所で浮き上がり、剥落が甚だしいため、剥落止を行うとともに、旧修理時に施された合成樹脂の除去等を2カ年の計画で行 っているが、本年度で修復は完了する。

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