(像高 70.8cm)

     そうぎょうざぞう

木造僧形坐像

 熊本県玉名市に所在する願行寺は、中世には肥後時宗派の中核的な寺院であったと考えられている。
 本像は、寺に伝わる2躯の高僧像(倚像が他阿上人(たあしょうにん)像、坐像が其阿上人(ごあしょうにん)像と伝えられている)の一つで、傷みが著しく、寄木の矧ぎ目がはずれ、玉眼は失われ、彩色も剥落しているが、顔や手足など肉身部の彫技は写実的かつ手馴れていて、願行寺開創期(正平4年=1349年)の頃の都仏師の手になるものとみられる。
 熊本における希少かつ優れた時宗関係文化財として貴重なものである。
 離脱した部材の結合、朽損部の強化、欠損部の新補等の補修を行う。

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