(本紙 縦 30.0cm  横 92.4cm)

服部嵐雪筆「胡塞記(こさいのき)」

 本作品は、芭蕉の高弟で武士であった服部嵐雪が、貞享2年(1685)から翌年の春にかけて井上相模守の御番の供として越後騒動後の越後高田城の警護に当たった折に、したためた紀行俳文の原本である。        文体は中国の詩文にならい、江戸からみれば辺境の北国である越後高田を胡塞(こさい)(塞外(さいがい)の胡国(ここく)、万里の長城より北の辺境の地)になぞらえて、そのひなびた風情を、漢詩を引用しつつ俳文に記している。嵐雪の自筆資料として貴重である。
 表具・本紙とも虫害と横折れが著しいため、展示に対応できるよう補修を行う。

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