( 白象座 像高 58.4cm)
旧円覚寺(えんかくじ)彫刻
 円覚寺は、第二尚氏三代尚真王によって首里城に隣接して建てられた王家の菩提寺で、琉球を代表する名刹であったが、沖縄戦で壊滅的な被害を受け、現在では廃寺となっている。旧円覚寺彫刻はそこに安置されていた仏像群で、爆風によって破損し、戦時の混乱のなか放置されてきた。戦後まもなく木彫片が収集され、その後1973年の調査で、同寺の仏像群は日本的な技術によって制作された一群と中国的な特徴をもつ一群に分けられることが指摘されたが、現在まで修復が出来ていない。
 各木彫は、破損・剥離・虫食いなどがひどく、一体として完全な状態の像はないが、今後3カ年の計画で、釈迦三尊(釈迦如来、文殊菩薩、普賢菩薩)像、羅漢像(八躯と一首)の修復を行う。本年度は、文殊菩薩と普賢菩薩が各々乗る獅子及び白象座の修復から始める。

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