(本紙 縦168.0cm  横141.0cm)

         うらしまみょうじんえんぎ

紙本著色 浦嶋明神縁起

 丹後半島北端の伊根町に所在する宇良神社は浦嶋神社とも呼ばれ、天長2年(825)に浦嶋子(うらのしまこ)(浦嶋太郎)を筒川大明神として祀ったことを起源とすると伝えられている。
 浦嶋子伝説は古くは「丹後国風土記」逸文などにみられ、古代・中世を通じて人口に膾炙したが、同神社には室町時代の制作とみられる浦嶋明神縁起の巻子本(重要文化財)と掛幅本が各1点伝来している。
 今回の修復対象は掛幅本で、浦嶋子伝説と宇良神社の祭礼の様子が大和絵の伝統により描かれ、物語性の高い地域色豊かな内容をもった縁起絵になっている。
 経年劣化により全体に料紙の脆弱化と絵具の膠着力低下による粉状化が進み、特に折山箇所の欠失の危険性が極めて高くなっている。

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