(像高85.4p)

木造薬師如来坐像

 本坐像は、像の由来は不明で、後世の修理の手がかなり加えられているものの、その作風から、本格的な平安彫刻の貴重な作例とみられている。右手は施無畏印、左手は腹前で薬壺を持つ通例の薬師像で、桧の一材から像を彫刻した後に前後に割り、内刳りを行った後再び接合する割矧ぎ造りの技法が用いられている。
 所有者である八幡神社境内の堂内に安置されているが、現在も大切な信仰の対象となっている。
 長い年月のうちに、傷みが著しく、特に膝部中央から,裳先を含めて大きく欠失し、また過去において施されている補修も、本来の像容にそぐわ
ないなどの点から、緊急な修復が求められている。

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