阿弥陀如来 (像高88.3p)

木造阿弥陀如来及両脇侍像

 定印を結ぶ阿弥陀如来像を中尊とし、その両側に、各外側の手を挙げて持物(亡失)を執る両脇侍像を配する三尊で、桧の割り矧ぎ作りである。
中尊像内に建久7年(1196)の銘記があり、慶派仏師の宗慶(しゅうけい)により造立された。大仏師宗慶は運慶の弟子筋に属する。
 また像内に記された大施主藤原弘□は武蔵武士のひとり四方田(しおで)弘綱と見られ、関東武士が慶派仏師に造像を依頼する典型的な例であるとともに、鎌倉時代初頭の運慶周辺の作風を探る上でも貴重な資料である。
 現状腐蝕した鉄釘が、螺髪部や首周り等に目立ち見苦しく、矧目のゆるみや漆箔の剥落もある。

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