(高さ 42p 口径 58p)

牛原前田(うしわらまえだ)遺跡 曽畑(そばた)式土器

 鳥栖市牛原町に所在する牛原前田遺跡から単体で出土した大型深鉢(甕(かめ))。縄文時代前期後半に九州全域に及ぶ広範な分布圏を形成した曽畑式土器の典型で、沈線による幾何学文様が外面全面ならびに口縁内面に施されている。現在確認される曽畑式土器の中でも最大級の大きさで、縄文土器としては完形に復元できる稀有な例である。
 曽畑式の分布中心域においても代表的な出土例となる重要遺物で、九州の縄文土器研究のみならず原始美術史の観点からも資料的価値が高い。
 胎土が脆く、現状の石膏による簡易的な復元では、展示公開に耐えうる状況ではないため、樹脂材料を使用した本格的な保存修復を実施する。

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