牡丹孔雀図 (いずれも襖4面 本紙 縦178.0p 横91.0p)

障壁画「牡丹孔雀図」「渓流猛虎図」

 本二図は、山路寺本堂内にある28面の障壁画の一部で、虎の間と孔雀の間を隔てる襖の各4面に描かれている。筆者片山楊谷(かたやまようこく)(1760−1801)は、長崎に生まれ、諸国を歴遊して鳥取に来て、藩主池田家の支藩の池田冠山に画技を認められ、寛政5年(1793)に片山家を継いだ。別の襖絵に、楊谷死去前年の寛政12年(1800)に制作したとの記述がある。
 猛虎図にみられる力強い迫力、細部の精密な描写等、楊谷が南蘋(なんびん)派の画風を継承し、円山応挙に学んだこともあって、その優れた画域がうかがわれ、楊谷の画業を知る上で最も貴重な作品である。
 亀裂や虫害による欠失が随所で認められ修復は平成14年度から開始されているが、本件で28面全ての修復が完了する。

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