(高 40.5p  幅 45.3p)

大阪大学所蔵  野中古墳出土2号短甲

 大阪府藤井寺市にある5世紀の方墳(一辺28m)野中古墳は、武器・武具などの鉄器が豊富に出土した古墳として知られており、特に甲冑の出土数(11領)では日本第2位を誇る。大量に出土した甲冑と武器は、当時の大王権力の軍事組織や官僚組織を解明する資料として、また甲冑を含む鉄器類は、古墳時代の鉄器生産とその技術を知るための資料としても重要であり、朝鮮半島との交流を理解する上でも貴重な資料である。
 2号短甲はそうした甲冑のうちの1つであるが、2号短甲には頸甲・肩甲がセットとなっており、鉄製甲冑の当時の姿を復元するには最適の資料である。
 1964年に発掘後本格的な保存処理がおこなわれぬまま現在に至り、劣化が進んでいるので、クリ−ニング・脱塩・樹脂含浸の処理を施し、展示貸出の要請に応えられるようにする。

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