(本紙 縦102.0p 横39.6p)
絹本著色金剛さつた像 
 京都を中心に奈良を含め13ケ寺ほどある尼門跡寺院には、皇室からの御下賜またはその関連の文化財である、絵画、彫刻、工芸品、書籍、古文書、建造物、史跡、歴史資料等が保存されている。
 慈受院が所蔵する本図もその一つで、金地の大海に渦巻き模様をあしらった波間に金剛さつた像が突如湧現する観想図である。慈受院で金剛さつたの法会の本尊として掛けられていたもので、江戸時代の特異な図像で、海中には七宝、三弁宝珠などが描かれている。
 経年による膠の固着力の劣化のため、絹の欠失、絵具の剥落がみられるので、軸装を解体し欠失箇所の補絹、絵具の剥落止めを行う。

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