(像高83.6cm)
木造阿弥陀如来坐像
 鎌倉時代(13世紀)に制作されたと判断される等身大の阿弥陀如来坐像で、寺伝では塔の中尊とされている。
 胸前にかまえた両手の平を前に向け、左右とも第4指を捻る説法印を示しており、奈良時代の阿弥陀像を参考とした復古的表現とみられ、南都(奈良地方)所住の仏師によって制作されたものと推測される。
鎌倉時代という仏像彫刻の隆盛した時期の魅力ある作風をしめす優品のひとつである。
 頸部の材の落ち込みや各矧目のゆるみ、表面の漆箔の剥落など、憂慮すべき状態の進行が確認され、早急な修理が必要となった。

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