(全長 88p)

蛭巻太刀(ひるまきのたち)

 樺太東多来加(ひがしたらいか)のアイヌに伝来した宝刀。アイヌ民族は、内地から招来した刀剣を宝物の第一位として珍重した。黒漆地に銀線を巻いた蛭巻太刀で、足金物・責金が各2個付く。鐔(つば)は三枚張り合わせの漆革製で銀台に覆輪縁(ふくりんぶち)である。刀身は細身の短い日本刀であるが本来のものではない。全体として古式の様相を呈しているが、時代は不詳。
 本資料は、原始工芸・アイヌ工芸の研究者故杉山寿栄男氏が収集したもので、平成7年に遺族から寄贈を受け東北歴史博物館に保管されている。
修復は、柄と鞘の折損部を麦漆で固め、樫材で刀身を制作、柄と鞘の両方に入るようにする。なお、補作・復元は行わず、変形著しい鐔は別保管とする。

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