(像高181cm)

木造千手観音立像保存修理事業

高成寺観音堂の本尊として安置される等身大の千手観音。江戸時代に編算された「若狭郡県誌」によれば、本像は古くは遠敷若狭姫(おにゅうわかさひめ)神社の傍らに安置されていたもので、「延喜式」記載の若狭姫神社(遠敷明神)の本地仏である可能性がある。
 現状、近世後補の絵具で覆われるが、檜の縦材から全身を彫り出し、内刳りを全く施さない極めて古風な造りで、若狭地方における千手観音像の最古作例として注目されるものである。
 後補の彩色は落とし解体を行う。虫害や朽損部は樹脂で強化、欠失部は可能な限り補作する。

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