不動明王像(像高164cm)

木造不動三尊像3躯

円光寺不動明王像は、檜材の一木を用いた平安時代後期の作で、智証大師円珍の霊夢による大師御作の三体の不動尊の一尊と伝承され、壱岐へ請来の後も移座を繰り返しながら、16世紀初頭に今の円光寺に安置されたと伝わっている。九州では大分県豊後高田市の真木大堂の不動明王像に次ぐ大きさの等身大の立像で、忿怒の形相を伝える頬肉の表現や、豊満な厚みのある体部は充実している。現状は足元の虫蝕欠損のため、厨子中の光背に背もたれの状態で安置されている。二童子は永正(室町時代)の頃以降に補作されたものと思われ、楠材の一木から彫出されている。3躯とも虫蝕欠損が著しい。
 修復は3躯の自立を図り、尊容を著しく害している後補の彩色を除去し、古色仕上げにする。

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