高さ 112.0cm    口縁部径 46.4cm

楯築墳丘墓(たてつきふんきゅうぼ)出土特殊器台 

  楯築墳丘墓は、全長83mにおよぶ弥生時代最大級の墳墓である。各地で大型墳墓が築造され始める契機となった墳墓と位置付けられ、前方後円墳の起源の一つともされている。

 特殊器台は、吉備地方で創出された墳墓祭祀用大型土器であるが、形態変化を経て古墳時代には埴輪に転ずることから、「埴輪の起源」と称され注目を集めている。その中でも本資料は、特殊器台最古形式である「楯築式」の標識資料であるので、全国の考古学研究者から注目されている。

 しかしながら、昭和54年(1979)に岡山大学の調査により出土し復元作業が行われてから約50年が経過し、接着部分のひび割れが大きくなるなど修復箇所の劣化が著しい状況にある。今回、過去の接着材と石膏による復元箇所をすべて取り除いて、破片の状態に一度解体したうえで、全面的な復元修復を行う。


©2024 The Sumitomo Foundation
前ページに戻る