本紙 225.4cm×139.4cm

絹本著色 観経十六観変相図(かんぎょうじゅうろっかんへんそうず)

 観経十六観変相図は、観無量寿経に説かれる阿弥陀如来の極楽浄土を想見するための十六の観想法について、その内容を表したものである。朝鮮半島では、高麗〜朝鮮時代にかけて広く流布し、日本に伝わったものも本作以外に大高寺本(茨城県)や隣松寺本(愛知県)などが現存する。いずれも図像は少しずつ異なっており多くのバリエーションがあったことが知られるが、その中でも本作は銘文によって制作年や制作者などの制作背景が明らかな優品として極めて貴重である。

 しかしながら、本図には強い折れなど少なからぬ損傷があり、縦2mを超える大幅であることも相まって掛軸の開閉に際して本絹が欠落する恐れが生じており、保存修復の緊急性が認められる。本年度より4ヵ年計画で修復を図る。 


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