本紙 124.3cm×57.8p

 絹本著色 不動明王四童子像1幅

  琢窓院は、浄土宗四箇本山(しかほんざん)の一つ、百万遍知恩寺の塔頭寺院で、創建は江戸時代初期と伝わる。

 本作の同院への伝来の詳細は不明だが、二幅一鋪の画絹に、火焔光背を負って立つ不動明王の左右に童子二人ずつを表しており、類例が稀な不動明王四童子像である。諸尊の動勢豊かな姿態、それぞれの表情の違いも巧みに表現しており、おおよそ室町時代中期の制作と考えられている。

 現状では、経年による膠着力の低下により絵具層の剥離剥落が進行しており、本紙全体には縦折れ、横折れが発生し、粘着力の低下による糊浮き・欠失などの損傷も著しく、絵画表現が失われかねない状況にある。本年度より2ヵ年計画で修復を図る。 


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