普賢菩薩像
像高 44.5cm
文殊菩薩像
像高 44.0cm

木造釈迦三尊坐像のうち両脇侍像りょうわきじぞう)

  如意輪寺は、寛文元年(1661)の創建とされる。同寺のある一帯は平安期の山岳寺院跡であり、「国見山廃寺跡(くにみさんはいじあと)」として国の史跡に指定されており、同寺の前身は国見山極楽寺如意輪坊といわれている。本尊は如意輪観音像で、釈迦三尊像は付近の釈迦堂に伝来していたが堂が廃れたため、明治時代に如意輪寺に移安されたという。

 本三尊像は、慶派仏師によって鎌倉時代前期、13世紀に制作されたみられる一具作(いちぐさく:一揃いの作品)で、修復対象は両脇侍像2躯である。脇侍像の高髻(こうけい)や波打つ着衣端などに装飾的な形式が採用され、作風面では胸や膝を強く張りながら他の身体各所が細く締まった、抑揚のある表現によってまとめられている。ほとんどの部分に当初の部材をよく留めており、漆下地まで当初のものが残された貴重な作品である。

 しかしながら、両脇侍像の保存状態は構造面から表面仕上げに至るまで非常に悪化しており、緊急かつ抜本的な修理を要する。3ヵ年計画の修復は、本年度で完了する。  


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