右大将頼朝之御時之犬追物次第 1巻
22.3cm×423.4cm

 

 犬追物(いぬおうもの)関係資料(島津家伝来)

 

  犬追物は、走る犬を馬上から蟇目(ひきめ)の矢で射て、射技の優劣を競う武芸で、笠懸(かさがけ)・流鏑馬(やぶさめ)と並んで騎射三物(きしゃみつもの)と称され、鎌倉時代以降武士社会に流行した。しかし、安土桃山時代以降は廃れ、江戸時代には小笠原家と島津家などごく限られた家が伝承するのみとなった。特に、島津家では、室町時代以降明治に至るまで、犬追物の実践と弓馬故実(きゅうばこじつ)の継承に意が用いられてきた。本資料は、島津家に伝来した犬追物関係の資料群で、古文書・典籍、装束・弓馬具類および写真ガラス原板から構成され、高い学術的な価値が認められる。

 しかしながら、古文書・典籍だけで610点にも及ぶ中で破損が著しいものも多く、これまでも修復が行われてきたが、本年度より6ヵ年計画で古文書・典籍の中から修復の必要性の高い12点について修復を図る。


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