覚(南波村普請皆出来につき届)

16.2cm×26.8cm

交代寄合西高木家(こうたいよりあいにしたかぎけ)関係資料

  高木家は室町時代後期以来、美濃国に勢力をもった土豪で、江戸時代は旗本として同国の交通の要衝である時・多良両郷(現大垣市)を治めた。高木家は交代寄合という格式を持ち、知行地に在住して参勤交代を行った。

  本資料は、高木家三家(西・東・北家)のうち最も知行高が大きかった西家に伝来したもので、戦前から治水関係文書を中心にその価値が知られていた。戦後、西高木家の所有する資料が市場に流出して散失することを防ぐために昭和24年以来段階的に名古屋大学が購入・収蔵し、漸次分類及び目録作成作業を実施し、同資料の研究と公開に努めている。本資料は、文書・記録類32,647点を中心とし、武芸・故実の伝書類を中心とする典籍類109点を含む(文書・記録類は、内容から「領地」・「支配」・「家臣」・「勤役」・「治水」に分類される)。

  多数の絵図資料は虫損や水損で破損し、絵の具の剥落が進行し、冊子装の記録類は虫損が著しく、各丁を開くだけで本紙が破損する状態になっているものもある。特に傷みの激しい57点について3ヵ年計画で修復を行っているが、 その最終年度となる本年度は、文書・記録類の計31点を対象とする。


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