大日如来像                        薬師如来像  
                         像高 288.0cm                                  像高 138.9cm

木造薬師如来坐像( やくしにょらいざぞう)及び                   木造大日如来坐像だいにちにょらいざぞう)

  興善寺は、仁寿(にんじゅ)2年(852)文徳天皇(もんとくてんのう 827〜858)の勅願により慈覚大師円仁(じかくだいしえんにん 794〜864)が創建したと伝えられている。1570年頃に兵火により焼失したが、1690年頃に再建されて現在にいたっている。

 同寺の本堂には本尊大日如来坐像、釈迦如来坐像、薬師如来坐像の三仏像が祀られている。像内から発見された墨書銘から、大日如来は保安(ほうあん)元年(1120)、釈迦如来は寛治(かんじ)7年(1093)に制作されたことがわかっており、薬師如来についても平安時代の作と考えられている。大正4年(1915)には、3躯とも古社寺保存法に基づく国宝に指定され、昭和25年(1950)文化財保護法の制定に伴い重要文化財に指定された経緯をもつ、貴重な仏像である。

 3躯ともに経年の劣化が著しい状況にあり、昨年度から4ヵ年計画で修復が進められており、初年度で修復を終えた釈迦如来坐像以外の2躯について、今後修復を図る。本年度は2年目となる(住友財団としては1年目)。 


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