本紙 176.0cm×101.6cm

絹本著色 光明本尊(こうみょうほんぞん)1幅

  昌藏院は、真宗佛光寺派の寺院で、初期真宗に特有の光明本尊を寺宝として伝えることで知られている。

  光明本尊は鎌倉後期から室町期にかけて、真宗で盛んに制作され、真宗美術においては最も華やかな作品群として高い評価を得ている。そのうち昌蔵院本は、通規の図様・構成であるが、天地に施された讃銘とその周囲の描き表装、金泥や彩色がよく残る貴重な作品である。また何より重要なのは、裏書が残されておりそこに絵師の名前(加賀権守入道理円)が記されている点であり、数多くの光明本尊の中でも貴重な遺品である。

  現状は、本紙に画絹の割れ、欠損を伴う折れや皺が縦横に走り、顔料の剥落により上部の讃銘がほとんど判読不可能な状況にあるなど、危機的な状況にある。3ヵ年計画で修復を行っており、本年度は2年目となる。 


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