像高 189.5cm

 木造十一面観音立像( じゅういちめんかんのんりゅうぞう)

  本像を安置する千萬院は、隣接する池坐朝霧黄幡比売神社(いけにますあさぎりきはたひめじんじゃ)とともに中世に栄えたが、明治の神仏分離以後、今日一堂を残すだけで、地元自治会が日常管理する小寺となっている。

 本像は、右手に錫杖、左手に水瓶を執る長谷寺式十一面観音で、戦国時代の奈良で活躍した宿院仏師の源四郎の初期の代表作である。

 足枘部材と本体との緊結が緩く、現在前方へ傾斜して自立できない状態にあり、転倒防止用のロープを用いて後壁と一体化して安置している。本年度より2ヵ年計画で、本体および台座の解体修理を行う。 


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