本紙 89.5cm×139.0cm

東妙寺幷妙法寺境内絵( とうみょうじならびにみょうほうじけいだいえず) 

 本図は、蒙古襲来(1274年文永の役および1281年弘安の役)を契機として建立された西大寺流律寺の東妙寺(僧寺)および隣接した妙法寺(尼寺)を描いた絵図で、両寺の伽藍の整った鎌倉時代末期の14世紀前半の制作と考えられている。
 
律宗寺院の規模を示す絵図としては称名寺結界図(重要文化財)が知られるが、並置する僧尼両寺の伽藍配置を伝えた絵図としては本図が唯一の資料であり、九州における関東祈祷所寺院の具体的規模を伝えており、建築史上の価値は高い。
 
現状は表装の傷みが激しく、大幅にもかかわらず紙表装であるため、懸架には裂傷等の危険を伴う。加えて画面には折れや汚点(しみ)があり鑑賞を著しく妨げているため、修復を経て十全な姿で鑑賞・研究に供されることが望まれる。


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