大覚禅師像
本紙 113.1cm×59.4cm

絹本著色 大覚禅師像外附(だいかくぜんじぞうほかつけたり)2幅

 勝福寺は、建長元年(1249)に南宋時代の禅僧蘭渓道隆(らんけいどうりゅう) (大覚禅師 1213〜1278)により創建されたとされる臨済宗大徳寺派の寺院である。
 
大覚禅師像は同寺の開祖を描いた頂相であり、禅師が坐す曲彖(きょくろく)に各種の色とりどりの裂地を縫い合わせた布を掛けることを特徴とする。その穏やかな顔貌の表現や裂地などの精緻な描写から鎌倉時代の制作と考えられる優品である。本像の附である夢窓国師(むそうこくし)像および実山真禅師(じつざんしんぜんじ)像の2幅は、その賛文や表現、材質などから判断して、ともに室町時代の制作と考えられ、中世における勝福寺の法灯を理解するための頂相として極めて貴重である。
 
しかしながら、本像には強い折れなど少なからぬ損傷があり、掛幅の開閉に際して本絹などが欠落する懸念があることから、保存修復の緊急性が認識されている。本年度より2ヵ年計画で修復を図る。


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