像高 53.0cm
 *解体前の状態

 木造阿弥陀如来坐像あみだにょらいざぞう)

 法輪寺は、香川県坂出市与島にある真言宗醍醐派の寺院である。本像は、明治初期の廃仏毀釈の際、同じ与島にあった西光寺から法輪寺に移されたものである。
 
内ぐり寄木造で、頭、腹、背中および手を矧ぎつけ、膝は別木を寄せている。手、膝に破損があり、後世に金箔で塗布されて、像形はやや損じている。その形容から平安時代後期の作と考えられており、同地方では制作年代が最も古い仏像の一つである。胎内の銘から戦国時代の修理の経緯を特定できることも含め、同地方における貴重な仏像といえる。
 
明確な発生時期は不明であるが、寺の雨漏りにより寄木が徐々に分解をはじめ、虫蝕も広がっていることが判明したことから、現状では頭部、腹部、腕、手などに解体して、香川県立ミュージアムで燻蒸し修復に備えている。


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