被災前の特殊器台                                 左写真右の特殊器台の
       右:高さ78.0cm 胴部径38.0cm                        被災後の状態
左:高さ60.0cm 胴部径40.0cm
                                                    

 西山遺跡出土特殊器台(にしやまいせきしゅつどとくしゅきだい)

  西山遺跡は、岡山県倉敷市真備町西山の南に延びる低丘陵上にある遺跡で、住宅団地造成工事に伴い、昭和52年(1977)に岡山県教育委員会により行われた発掘調査により、弥生時代後期の竪穴式住居、弥生時代末頃の土壙墓(どこうぼ)や古墳時代前半期に属する小円墳等が見つかっている。
 本品は、棺に転用された状態で土壙墓から発掘された。発見された特殊器台は2個体あり、一つは口縁部と脚部は欠けていたが胴部はすべて残存し、もう一つは上半分を欠いた状態で、その脚部に前者の胴部を差し込むようにして棺としていた。本例のように特殊器台を棺に転用することは珍しく、ごくわずかの例しか知られていない。
 特殊器台は発掘後、復元されて平成14年(2002)に建設された「真備町歴史民俗資料館」(その後「真備歴史民俗資料館」に名称変更)において常時展示されていたが、平成30年7月豪雨(いわゆる西日本豪雨)により資料館の展示室が水没したことにより、石膏や接着剤で接合していた部分が外れてばらばらの状態になるなど大きな被害を受けた。基本的には全てを元の状態に戻したうえでの再復元が必要な状況にある。


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