1.5〜20.0cm程度

 宮崎県持田古墳群出土馬具類(みやざきけんもちだこふんぐんしゅつどばぐるい)

 本品は、戦前に宮崎県児湯郡高鍋町の持田古墳群(持田56号墳)から掘り出されたと伝わる6世紀頃の金銅装馬具の一括資料。出土後ほどなく国の重要美術品に指定され、その美術品的価値の高さについてはかねてより知られてきた。昨今の東アジア規模での馬具研究の進展を受け、雲珠(うず)の中央には琉球列島産のイモガイが嵌め込まれていたとみられること、雲珠を含む主要な馬具の製作地が朝鮮半島南部の大加耶(だいかや)に求められることなどが明らかとなり、その学術的価値についても再評価を受けている。古墳時代における海を跨いだ交流を考える上で格好の資料である。
 現在、全般に錆やひびが進行しているほか、折損箇所を市販の接着剤で応急的に接合している箇所が複数あり、はずれてしまう危険性が高い状況にある。できる限り早急に適切な保存処理を行い、恒久的な保存と公開に向けての処理を図る必要がある。2ヵ年計画の修復は、本年度で完了する。


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