本紙 90.6cm×39.4cm

絹本著色 三宝荒神像( さんぽうこうじんぞう)1幅

 天野山金剛寺は、天平年間(729〜749)、聖武天皇の勅願により行基(668〜749)が開創し、のち弘法大師が修練したと伝えられる、真言宗御室派大本山である。
 
本図は、天野山金剛寺の山内塔頭・摩尼院(まにいん)に伝来していたものであるが、近年の京都国立博物館の調査で発見され、現在はその重要性に鑑み、本寺である金剛寺に移管され宝物殿において保管管理が行われている。
 
鎌倉から南北朝時代、14世紀前半の作と見られる、八面八臂の坐像の三宝荒神像であるが、印相・持物が他の類品と全く異なっている珍しい作で、三宝荒神信仰が定着する以前の段階を示す点で美術史上、極めて貴重な作品ということができる。
 
しかしながら、現状は破損が甚だしく、公開が不可能な状態になっている。2ヵ年計画の修復は、本年度で完了する。


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