紙本墨画花鳥図(伝蛇足筆) 襖貼付 後補アリ 16面のうち4面
各本紙 177.9cm×141.5cm

真珠庵障壁画(しんじゅあんしょうへきが)

 真珠庵は大徳寺の塔頭寺院で、永享年間(1429〜1441)に、一休宗純(1394〜1481)を開祖として創建された。計41面の障壁画は、制作が旧方丈建立時まで遡る真(しん)山水図、花鳥図、草(そう)山水図と、長谷川等伯が加えて制作した商山四皓図(しょうざんしこうず)、蜆子猪頭図(けんすちょとうず)により構成されている。前者は伝曽我蛇足筆(でんそがじゃそくひつ)とされており、室町水墨画の古例である。また、等伯筆の画面は慶長6年(1601)10月に10日間で描かれたことが知られ、基準性の高い大規模作例である。このように真珠庵障壁画は、禅林文化が育んだ水墨画の精華として高く評価される作例である。
 しかしながら、近年では経年劣化が急速に進み、保全に懸念が生じる状況となっているため、障壁画全体について早急に解体修理を行う必要が関係者間で確認されていた最中、障壁画の一部に亀裂が生じ、至急の修理が必要となった。5ヵ年計画で修復を図っており、本年度は その最終年度となる(住友財団としては2年目から4年間助成)。


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