像高 87.3cm

 木造弘法大師坐像こうぼうだいしざぞう

 青蓮寺は、弘仁10年(819)に創建され、弘法大師が開山と伝えられる寺院である。
 本像は、「裸形着装像」(身体を裸もしくは下着のみ着けた形で造り、実際に縫製した布の着物をまとわせたもの)という珍しい形式の像の一つで、鎌倉時代に制作されたものと考えられている。青蓮寺には明治維新後神仏分離の際に、鶴岡八幡宮十二坊の南禅坊(等覚院)から移されたものである。手爪が水晶製であること、着物を着脱するために左右の足を動かせるように組み付けている点が極めて注目されるところである。
 現状では、一部の水晶製の手爪のまわりの木材が浮き上がり、わずかに残っている当初の爪が脱落する可能性が極めて高い状態にある。また、像の表面の彩色にも浮き上がりが随所に認められ、早急に適切な修理を行う必要に迫られている。


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