像高 49.7cm                 

 長作観音堂(ながさくかんのんどう)如意輪観音坐像( にょいりんかんのんざぞう)

 長作観音堂は、明治7年に廃寺となった長谷寺の一堂で、山梨県内に数少ない鎌倉時代後期建立の仏堂として重要文化財に指定されている。如意輪観音坐像は同堂の本尊として厨子内に秘仏として祀られている。本像の由来については資料がなく不明であるが、形や表現の特徴から鎌倉時代前期の造立と考えられている。また、聖徳太子信仰との結びつきが強いともいわれている。
  本像は、木造の一木造りで、頭体幹部は髪まで含めて一材より彫出し、これに立てた右脚と横にした左足を矧いている。如意輪観音像としては、山梨県内でもっとも古く、簡潔な中にも若々しさを感じさせる作風とともに、甲斐国の彫刻史の上でも注目される作例の一つである。
  損傷が大きく本来の姿を損ねる状態となっており、本年度において修理を行う。


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