像高 272.2cm

龍池山千光寺(りゅうちざんせんこうじ)
木造千手観音菩薩立像(せんじゅかんのんぼさつりゅうぞう)

  龍池山千光寺は、古文書の記録等によると、津森城主光永孫三郎が本堂と仁王門を建立し、さらに田畑三町八反を寺領田として寄進したとあり、開基の時期は、光永氏の入城からして15世紀前半以降(室町時代)と推定されている。
 本像は、龍池山千光寺の本尊として祀られてきた、平安時代末期の制作とされる像高272.2cmに及ぶ木造千手観音立像であり、光永氏により開基された際に他の寺院から移されたものと考えられている。
 2016年の熊本地震により、龍池山千光寺の山門・本堂は全壊し、本像は足元から折れ、多くの部材が破損したため、平成28年時点では、応急的な対策として境内に仮設の本堂としてプレハブを設置し、本像をはじめ、脇侍(仁王像)、絵馬等を安置している。龍池山千光寺が所在する下陳地区は、活断層の直上に位置する集落であるため、町内においても震災による被害が甚大な地域であった。震災からの文化財復興シンボル事業としても早急な修復が期待されている。2ヵ年計画の修復は、本年度で完了する。


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