上:史跡伯耆国庁跡出土 鉄製鋤先  全長約30cm 基部幅約20cm 厚さ約0.4cm
     下:西山2号墳出土 馬形埴輪      全長約70cm 高さ約50cm

 倉吉博物館(くらよしはくぶつかん)所蔵考古資料

 「鉄製鋤先(すきさき)」は、昭和50年(1975)度の調査で、伯耆国丁跡(ほうきこくちょうあと)内郭前段の南側に接する土壙(どこう)から鋤先が重ね置きされた状態で出土しており、保存処理を行った。奈良時代に鎮壇具として使用されたものと考えられている。伯耆国丁跡以外では出土例がない。「馬形(うまがた)埴輪」は、昭和59年(1984)度の調査で、人物埴輪(履をはいた足元)とともに西山2号墳の周溝底に置かれた状態で出土しており、復元を行った。古墳時代後期のものと考えられている。鳥取県では馬形埴輪の出土例は少ない。
 いずれも、倉吉博物館が所蔵する希少な考古資料であるが、平成28年(2016)10月の島根県中部地震で被災した。「鉄製鋤先」は、4点あり、現状では錆着して3つに分かれるが、2つが先端と基部の中間あたりで折損した。折損のなかったものも経年劣化がみられる。破断面からの破損の進行が危惧され、修理が急がれる。「馬形埴輪」は、セメダイン接合や石膏復元をした脚(3本)、耳、障泥(あおり)(鞍の左右にさげる、泥よけの馬具のこと)が接合箇所から外れた。


Copyright (C) The Sumitomo Foundation. All Rights Reserved.

前ページに戻る