中国四国 233.2cm×136.0cm(木枠を含む)

 大日本沿海輿地全図中図だいにほんえんかいよちぜんずちゅうず)
(伊能中図(いのうちゅうず)

 伊能忠敬(1745〜1818)は、江戸幕府の支援のもとに弟子及び幕府天文方下役から成る測量隊を率い、1800年から1816年まで17年の歳月を費やして全国測量を敢行し、日本史上初めての科学的実測に基づく日本地図を作成した。伊能測量隊が作成した地図は、大図(1/36000)214図葉、中図(1/216000)8図葉及び小図(1/432000)3図葉から成るが、幕府に提出した正本「大日本沿海輿地全図」は、明治6年の皇居の火災により焼失、伊能家に伝来した控図も関東大震災により焼失したとされる。
 本図は、関東以外の中図7図葉で、東京国立博物館に所蔵の中図(重要文化財)に比肩しうるものである。
 現在は、不完全な形で額装されているため、額の縁と下地の隙間・段差があり、本紙にも虫損、線状のシミやめくれも見られる状態にある。本紙の酸化も進行しているため、早急な修復が必要である。4ヵ年計画で修復を行っており、本年度は3年目となる。


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